どーもパブロ(@culionlifehack1)です。
あなたの周りに『なんでこの人がこんなポストに出世できたんだろう?』と思う人はいませんか?
私も1人で仕事をこなせる自信が湧いて来た、20代後半ぐらいには、ダメダメ上司が自分よりも高給を得ていることに、こんな会社じゃ駄目だ!と思っていました。
そんな誰もが一度は抱いたことがあるであろう疑問を痛烈に解き明かしたひとつの法則が存在します。
それが『ピーターの法則』です。
この法則を提唱したピーター本人が「ためになる階層社会学」を「うっかり創設してしまった」と言うほど、ユニークな法則を紹介したいと思います。
目次
ピーターの法則とは何か?
この法則は1969年に南カリフォルニア大学教授の教育学者であるローレンス・J・ピーターにより提唱されました。
ピーターの法則は、「あらゆる有効な手段は、より困難な問題に応用され、やがて失敗する」という前提を、階層社会の中に当てはめたものです。
これを組織に置き換えてみましょう。
あなたの会社では、今の業務で一定の成果を収めれば、次ステップに昇進するというのが、一般的な流れではないでしょうか。
年功序列などもあると思いますが、ほとんどの企業はこの流れであるはずです。
この理屈で考えるとサラリーマンはいずれ『その人の能力で仕事ができる最高の地位まで出世します。』
しかし問題なのは、その地位で期待された仕事を遂行できるということは、その人はさらに昇進し、『最後は自分の限界を越えたステップまで進んでしまうこと』です。
つまりピーターの法則が言いたいのは、階層社会において、全ての人は、本来の自分の適正能力+1つ上のポジションに就いてしまうのです。
こうして、上位の各ポジションは能力の限界を越えた人達の溜まり場になってしまう訳です。
(将来、出世するであろうあなたも含めて)
それではあまりにも悲しすぎる
さすがに、ここで記事を終わってしまうと、辛辣すぎる。
ここで補足をしておくと、ピーターの法則では、必ずしも高い地位がより難しい仕事であるという意味ではなく、単純に、以前優秀であった仕事と仕事内容が異なる可能性を示しています。
『名プレイヤーは名監督になれない』という格言はまさにこの指摘と一致するものです。
また人は成長する生き物です。
年をとってもバイタリティに溢れ、ラーニングアジリティの高い人は沢山います。
今、その瞬間に無能だと評価されていても、いずれ本当に十分な能力を身につける人が出てくることも事実です。
ここでは無能という言葉を多用してしまいましたが、正確にはそのポジションに達するまで、何かしらの成果や、貢献をして来た優秀な人達です。
これを忘れてはいけないでしょう。
本当に組織に貢献しているのはあなた。
では、そんな過去の成功者で埋め尽くされた組織で本当に貢献しているのは誰でしょうか?
それはおそらく、上司に不満を持ちなが、この記事を読んでいるあなた自身です。
ピーターの法則では「仕事は、まだ不適当な地位にまで達していない人材によってなされる」と表現されています。
仮にあなたが、今の職務に対して自信を持って『できている』と言えるのであればおそらく、それは正しいでしょう。
後はそれを継続することです。
いずれあなたが無能な上司になる時に、1つでも上のポジションにいるためには今、能力を磨き続ける必要があるのです。
ピーターの法則を回避する方法
では、組織としてこの負のスパイラルから抜け出すためにはどんな方法があるのでしょうか。
実際には下記の様な手段が講じられていることも多いと思います。
降格のルールをつくる
1番早いのは降格のルール作る事です。
日本ではなかなか、降格という仕組みが馴染みません。
また降格された者の、モチベーションを考えると、安易に降格をシステム化すれば適切な人事配置が可能とはいかないでしょう。
昇進前に研修、訓練をさせる
これまでの日本の風習に1番マッチしそうなのがこの方法です。
研修、訓練といってもそう内容については議論の余地がありますが、仮に求められる能力や技能がはっきりしていれば有効な手法となりえます。
また周囲の納得度もあがることが予想されます。
昇進させずに昇給させる
インセンティブとして、ボーナスで評価をしたりするのがこの方法です。
これも企業の財務状況や評価指標など課題はありますが、限られたポストの中でも、『あなたの功績はしっかりと見ているよ』というメッセージにはなるでしょう。
ただ対象者が一定の地位以上になると、予想以上に金銭的なインセンティブというのは、魅力がなくなります。
マズローの五段階の欲求にもある通り、お金で満たされるのは一定のレベルまでです。
高次元の欲求を満たすために、お金よりも、ポジションや、自己実現を目指す傾向があることには注意が必要です。
派遣社員を使う
これはカーストや階層社会に近い概念です。
どれだけ有能であっても、元々、任されるポジションが固定されるため、安定したパフォーマンスが期待できる上に、他者もしくは自分の中で、ポジションの在り方について疑念が起こることは根本的なくなります。
社会制度としては議論の余地が残ることが多いですが、単純にピーターの法則を回避する手段としては理にかなった概念です。
まとめ
無能など少し過激な表現も含んだ内容になりましたが、ピーターの法則はヒエラルキーの中に起こり得る現象として、非常にユニークなアイディアです。
あなたが、組織全体を見渡す立場にあれば、ピーターの法則を参考に、よりよい組織のあり方を考える参考になるでしょう。
またはあなたが、すでにマネージャーの立場、もしくは下の階層から上のポジションを眺めているのであれば、組織の体制について色んな想い湧いてくることもあると思います。
あなたが優秀であればあるほど、不満を感じることもあるでしょう。
しかし、マイナスの感情を表に出してしまうことは最終的に損をすることが多いです。
- 今の上司もどこかの時点では有能であったこと。
- 人は成長の可能性があること。
- あなた自身も、いつか不満の対象になり得ること。
以上のこと忘れないでください。
どこにも完璧な評価システム、組織は存在しません。
この記事でピーターの法則を知って、組織なんてしょせんそんなもんだなと気持ちを新たに切り替えることが出来ればそれは大きな一歩ではないでしょうか。