共感を得るリーダーシップの法則【ゴールデンサークル理論】

どーもパブロ(@culionlifehack1)です。


いきなりですが、あなたにとってリーダーシップとは何でしょうか?


私の答えは『周囲から共感を得えて、人に行動を促すことが出来る能力』のことだと理解しています。


人生は経験を積めば積むほどひとりでは完結できない大きなチャレンジが増えていくものです。
だからこそ『他人から共感を得る』ことの大切さは誰しもが感じるはず。


そこで紹介したいのが、2009年にTEDで紹介された『ゴールデンサークル理論』です。


これは後々気づいたことですが、私が出会った最高のリーダーが無意識に実践していたがこのゴールデンサークル理論でした。


『共感を得る方法』という意味で『ゴールデンサークル理論』はリーダーシップだけでなく、人と関わる全ての事柄(マネージメント、セールス、キャッチコピー、コミュニケーションなど)の成功に通じる本質的なスキルだと確信しています。。


ここで紹介するゴールデンサークル理論と私の事例があなたの役に立つことを願っています。




スポンサーリンク


スポンサーリンク




TEDで語られたゴールデンサークル理論

ゴールデンサークル理論はマーケティングコンサルタントのサイモン・シネック氏が優れたリーダーや組織に共通する概念を、理論化したものです。


2009年のTEDのプレゼンテーション『優れたリーダーはどうやって人の行動を促すか』ではアップル、キング牧師、ライト兄弟などを例に、「ビジョン」の大切さを説いたことで一躍有名になりました。

サイモン・シネック 日本経済新聞出版社 2012-01-25
売り上げランキング : 1875

by ヨメレバ

ゴールデンサークル理論の解説

ではサイモンシネックの説く、優れたリーダーの共通項とは何でしょうか。

人はwhy(なぜ)に心を動かされる

物事を思考する時に、考えることは大きく『why(なぜ)』『how(どうやって)』『what(何を)』の3つに分類できます。
ゴールデンサークル



この時、1番の共感を呼ぶ重要な項目が『why』です。
サイモンシネック曰く、過去に優れたリーダーだと評価された人たちは常に自分や、組織の行動の動機にある『なぜそれをするのか』を明確に打ち出していたのです。


実際に脳科学の側面からも『why(なぜ)』、『how(どうやって)』、という部分は感情を司る大脳周縁系によって処理されることが知られています。


一方で『what(何を)』という部分は理性を司る大脳新皮質によって処理されることが、明らかになっています。


その様な点からも人の心に働きかけて、共感を得るためには『why(なぜ)』が重要なのです。

一般的な思考

では私たちが日常で物事を考えるときはどの様な思考が多いでしょうか。

サイモンシネックは一般の人の多くは『what→how→why』の順番で思考していると説明しています。

たとえば

【what】私たち早くて軽いノートPCを開発しました。
【how】これならどこで持ち歩き、ハードに仕事ができます。
【why】(ここがなかなかイメージできない)

リーダーの思考

一方でキング牧師や、スティーブ・ジョブズのようなリーダーは全く逆の思考から行動を起こしています。

たとえば

【why】私たちはIT技術で世界をもっと、スマートな社会にする。
【how】まずはモバイルPCをどこでもハードに使えることが重要。
【what】それを実現できる高速、軽量なノートPCを開発しました。

どうでしょうか?
言っている内容はほぼ同様でも発想の根拠が異なれば、印象が変わるはずです。
ひとは、『why』を理解することで、共感を生み、納得する生き物です。
それによって初めて『how』『what』という詳細が腑に落ちるのです。


スポンサーリンク


スポンサーリンク




私の経験した事例

私が職場で尊敬する上司の事例です。
当時の私は、入社5年目でした。
サラリーマンとしてはあるあるですが、やる気満載の数年間を経て、仕事のモチベーションを失っていました。


『何のために働いてるの?』
『自分のやってることは誰の役に立っているの?』


自問自答をする日々が続きました。
会社の先輩たちも、この問いに答えられる人はいません。


そんな時、私の事業所に赴任してきたのが、ここで取り上げる伝説の上司です。
彼は、これまで過去の職場で、軒並み高い評価を得ている人物で、とにかく人の共感を得る事に長けた人物。


出会って初めての会議で、彼がプレゼンした内容は営業数字の話でもなく、過去の武勇伝ではなく、たった3つのことでした。

  1. 『自分が大切にしている事』
  2. 『自分たちの仕事で社会が変えられると信じていること事』
  3. 『私がここを去る時に、皆さんから、「あなたに出会えて良かった」と思われるリーダーになる』という宣言

開いた口が塞がらなかったのは私だけではなかったはず。
新興宗教の教祖でもやってきたのかと思ったほどです。


しかし今思えば、その時すでに彼の魔法にかかっていたのかもしれません。
彼は、とにかくビジョン先行の人でした。


ゴールデンサークル理論に当てはめれば口から出るのは『why(なぜそうするのか)』の部分ばかりだからです。


そんな中、当時の私は悩みがありました。
これも営業あるあるですが、無理難題を押し付けてくるの得意先ってあるんですよね。


数字を上げるために、その得意先と関係を続けるかどうか悩んでいた時、それにいち早く気づいて上司が声を掛けてくれました。


相談した時に、返ってきた答えは『その得意先に断りにいけ』ということでした。


その時言われた言葉が『自分の家族に、胸を張って言えない仕事をするな』ということ。
当時、子供が産まれたばかりの私にとって、とても心に刺さった言葉でした。


公表はしませんが、私はこれをキッカケに自分がなぜ働くのかという答え見つけることができました。
最初のプレゼンの宣言通り彼は自分にも、部下にもビジョンを貫き通す人で、その理想や目標に私も心を奪われたのです。


私だけでなく、他のメンバーも同様でした。
彼は赴任して半年間の間に、事業所のメンバー全員から彼のビジョンに対する共感を得ました。
またメンバーひとりひとりに対しても『why(なぜそれをするのか)』を見つけだすために最善のサポートをくれました。


そんな彼はほとんど営業数字のことに言及することはありませんでしたが、組織の数字を落とすことはありませんでした。
しかし唯一、一度だけ数字を達成できないピンチが訪れました。


その時、動いたのは周りのメンバーです。
『○○さん(そのマネージャー)を助けるために、やれることを全てやろう!』とメンバーの自主的な会議と、行動が始まったのです。
会社から言われたノルマを達成することの重要さは分かっていても、それに皆んなが納得する理由をつけることは難しいです。


しかし、彼はすでに自分のビジョン、そしてメンバーに個々のビジョン、つまり『WHY』を見つけさせることが出来ていたため、一致団結させることが出来たのです。


その後に及んでも彼は具体的な行動は強制しませんでした。
数字が行かないのは私の責任、ただ一度困難な壁を超えた経験は、次の壁を超えるための原動力になる。自分の決めたビジョンを実現するため、今頑張りなさい』と言ったのです。


この彼の思考、発言こそがメンバーを突き動かしたことは言うまでもありません。


ゴールデンサークル理論で取り上げている、CEOとしての成功法や、セールスの心構えとは違いますが、私にとって共感を呼ぶという意味ではこれ以上ない事例でした。

まとめ

これまで感覚的にはわかっていたことも多いと思いますが、改めてゴールデン理論として説明されると腑に落ちる部分も多いのではないでしょうか。


人から共感を得ること、人を動かすということはとても深いテーマだと感じていますが、小手先のテクニックではなくゴールデン理論の様に、本質的な部分が身にしみて、実践できるまで様になることが、共感を生む最短ルートだと信じています。


さらに詳しく知りたい方は、直接、サイモンシネックの著書を読んでみてはいかがでしょうか。
最後まで読み終えて頂いた、あなたなら本書がベストセラーとなった理由に納得するはずです。

サイモン・シネック 日本経済新聞出版社 2012-01-25
売り上げランキング : 1875

by ヨメレバ




スポンサーリンク


スポンサーリンク